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第2回スポーツ医科学「疲労骨折」

会報誌第17号より

疲労骨折とは、通常の大きな外力によって起こされる骨折と異なり、骨の同一部威に繰り返される小さな負担により、骨組織の破断をきたすものと定義されています。したがってその鯨飲は、いわゆる使いすぎによって起こるものです。

疲労骨折の症状は、最初に軽くトレーニングの後痛みを感じる程度です。しかし放置すると、トレーニング中にも痛みを感じるようになり、さらにはプレーの続行が困難となってしまいます。

サッカー選手によくみられる疲労骨折は、中足骨、脛骨、足舟状骨、足関節内果など関節内果などの骨折です。

初発症状は、先に述べたとおり、その骨の痛みであり、圧痛が認められます。疲労骨折の初期では、X線撮影では異常の見られないことも多く、その診断には骨シンチグラム、MRIが有用です。現在ではほとんどの場合、MRIで診断が可能です。

治療は初診の場合であれば、運動の中止でほとんどの場合治癒します。運動の中止といっても、サッカー選手の場合、足に荷重させないトレーニングであれば行ってもかまいません。しかし、残念ながら痛みを我慢しながらプレーを続けたため、手術が必要とされる選手もあります。特に第五中足骨の骨折は、難治性が高くしばしば治療が長期にわたったり、再手術が必要となったりします。現在Jリーグの選手の中にも再手術を受けた選手がいます。このようになると、長期のプレーの中断が必要とされ、このための選手生命の危機となってしまうこともあります。したがって、少しの痛みのうちに整形外科を受診することが大切です。

疲労骨折の原因は使いすぎによるものではありますが、その要因としては、体の柔軟性の不足、誤ったフォームでのプレーといった選手自身の問題とともに、トレーニングの急速な増大といった、トレーニングの方法の問題があります。私の印象でも、高校1年生になり、トレーニング量が増えて発症する子供が多いようです。指導者はこのような個体差に注意を払っていただきたいと思います。また、硬いサーフェイス、段差のある路面、不適切なスポーツシューズも疲労骨折を起こす誘因となります。さらに、もともとの選手の骨格によっても、疲労骨折が起こりやすいタイプがあります。いわゆるX脚やO脚などには注意が必要ですし、偏平足や外反母趾の有無などにも気を配る必要があります。指導者の方は、はだしの選手にも注目していただきたいと思います。このような、骨格配列異常を持つ選手には、スポーツインソールといってシューズの中敷を工夫することにより障害を予防することも可能です。以上述べたような骨格異常が見られない選手でも、ランニングフォームが悪いといろいろな障害を起こすことがあります。体重がかかったときに膝が内側におれ、つま先が外側をむく、KNEE IN TOE OUT といわれる姿勢をとる選手には、脛骨の疲労骨折やシンスプリントがおきやすいといわれています。走るときにはつま先と、膝のお皿が真正面を向くように気をつけてください。

多くのスポーツ障害はその初期に適切な処置をすれば、重症化することはなく、結果的には早く競技復帰もできます。少しの痛みだからと我慢しないで早めに整形外科の医師に相談するようお願いします。

司馬医院院長  司馬 立